ウダーナ ~ ベスト・オブ・仏教

仏教ベスト盤 ~ ウダーナ ~ を翻訳・解説

ウダーナ ~ ブッダのつぶやき 第8章6 パータリ村の者たちの経(普及版)


8.6 パータリ村の者たちの経(76)
 あるとき、お釈迦様は、マガダ国で弟子衆と共にパータリ村へ歩く旅をし、パータリ村の信者たちは、お釈迦様に、こう申し上げた。
「 尊き方よ、世尊よ、わたしたちの休息堂を、お使いください」
お釈迦様は沈黙をもってお受けになりました。 
 「尊き方よ、世尊どうぞ、お越しください」
お釈迦様はパータリ村の信者たちに語りかけました。
 家長たちよ、五つのものがあります。戒を保たぬ者は戒のない者は、これらの五つの危険があります。
どのようなものが、五つのものなのですか。
(1)遊び過ぎは財物を失うことになります。
(2)悪しき評判の声が上がること。
(3)士族、かしこ人、家長、弟子、その衆会へと自信なく恥ずかしく入っていく。
(4)迷い乱れた者として命を終えます。
(5)身体の壊れたのち、死後は、悪所に、悪趣に、堕所に、地獄に、再生します。
 戒を保たぬ者には戒を損なうことによる、この五つの危険があります。
家長たちよ、戒を保たぬ者には戒を損なうことによる、五つの危険があります。
 家長たちよ、五つのものがあります。戒ある者は戒を守るから、五つの福利があります。
どのようなものが五つのものなのですか。
(1)無駄使いがないので、財物を蓄積します。
(2)善き評判の声が上がること。
(3)士族、かしこひと、家長、弟子の衆会へと、自信をもって恥ずかしい思いなしに入っ
  ていく。
(4)迷い乱れなき者として命を終えます。
(5)身体の壊れたのち、死後に、善趣に、天上の世に、再生します。
 家長たちよ、戒ある者は戒を守るから、これらの五つの福利があります」
お釈迦様は、夜のあいだ多くを、パータリ村の在俗信者たちに、法話で、真理を説き、喜ばせて人々を送り出しました。
 パータリ村の信者は、お釈迦様が語ったことを喜び、ありがたく思い、立ち去りました。
お釈迦様は、パータリ村の在俗信者たちが立ち去ったあと空屋に入られました。
 そのころ、マガダ国の大臣のスニダとヴァッサカーラがパータリ村にヴァッジー国の来襲に備えて城市を築いていた。
 お釈迦様は神通力で百千もの天神たちが、パータリ村にお住まいになっているのをご覧になった。
大天神や中天神や低い天神がお住まいの地は、むかし大王たちや王の大臣たちが、そこに住居を築こうとしようしたところです。
 お釈迦様は、マガダ国の大臣のスニダとヴァッサカーラが、パータリ村にヴァッジー国の来襲に備えて城市を築いてことをお知りになる。
 「アーナンダよ、聖なる場所として、商いの通路としてあるかぎり、この地は、大仏教王
  国の首都パータリプッタとして、栄える都となるであろう。
  アーナンダよ、しかし、パータリプッタには、三つの災いがおこるでしょう。火災、水
  害、敵の破壊です」
 マガダ国の大臣のスニダとヴァッサカーラは、お釈迦様のおられるところに行き、こう申し上げた。
二人は、お釈迦様にお食事をと申し出て了承された。
二人は、お釈迦様が食事を終え、鉢から手を離すと、マガダ国の大臣のスニダとヴァッサカーラをお釈迦様は、祝福した。
 お釈迦様が出られた、門それは、『ゴータマの門』という名になった。お釈迦様は、ガンガー川のあるところに近づいた。その時ガンガー川は烏が飲めるほど岸まで一杯に水が満ちています。人々は舟を探し求め、筏(いかだ)を探し求め、浮橋をつなぎ、岸を渡ろうとしていた。お釈迦様は、アッという間に、弟子の僧団と共にガンガー川の岸から姿を消し、あちら岸に立ちました。
 お釈迦様は、人々が舟を探し求めながら、筏を探し求めながら、浮橋をつなぎながら、こちら岸からあちら岸に渡ろうとしているのを見ました。
  お釈迦様は、ウダーナを唱えました


橋を作り泥沼を避けて
流れるこころの川を渡る賢き人々は
愚かな人が船を作る間に
悟りひとは、欲の沼をさけ流れを渡る

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