ウダーナ ~ ベスト・オブ・仏教

仏教ベスト盤 ~ ウダーナ ~ を翻訳・解説

ウダーナ ~ ベスト・オブ・仏教 第1章2 第二の菩提の経 (現代語訳・解説)

 

 1.2 第二の菩提の経(1)
 このように、わたしは聞きました。
 あるとき、お釈迦様はウルヴェーラーに住んでおられた。
 ネーランジャラー川の岸辺にある菩提樹の根元で悟りを得てすぐのころ、七日のあいだ瞑想姿で坐っておられた。
 悟りの安楽を得たお釈迦様は七日が過ぎ瞑想から覚められて、夜の中ごろのあいだ物事が縁によって生起することわりを逆順に確かめられました。
 これがないからあれがない、これが滅するからあれが滅する。
すなわち、
無明(無知)か滅するから、もろもろの行(業・意志)が滅する。
もろもろの行が滅するから、識知作用(識)が滅する。
識知作用が滅するから、名前と形態(名色)が滅する。
名前と形態が滅するから、六つの認識の場所(六処)が滅する。
六つの認識が滅するから、接触(触)が滅する。
接触が滅するから、感受(受)が滅する。
感受が滅するから、渇愛(愛)が滅する。
渇愛が滅するから、執着(取)が滅する。
執着が滅するから、生存(有)が滅する。
生存が滅するから、生が滅する。
生が滅するから、老と死と憂いと嘆きと苦痛と失意と葛藤(老死愁悲苦憂悩)が滅する。
このように、一切の苦の集まり(苦蘊)が、滅する
  お釈迦様は、このこと知って、ウダーナを唱えました


精進して修行(観察)するバラモン(聖者)に
確かに、(理法)現象が現れて来る
そこで彼は因縁によって、現象が消滅すると知って
その時、知っているので、一切の疑が消える
(2)
       以上が第二の経となる。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 お釈迦様が菩提樹の根元で悟り、その直後に確かめられた教えとは十二縁起の逆観と語られているお話


 真に修行するバラモン(修行者)の目覚めとは、法(現象)とは縁起の逆観と詩う



◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 



なにが書いてあるか


(直訳詩)
Yadā have pātubhavanti dhammā,
確かに法(真理)が明らかになる
Ātāpino jhāyato brāhmaṇassa.
熱心に瞑想するバラモンに
Yato khayaṃ paccayānaṃ avedi”ti
そこで、もろもろの縁起の消滅を知る
Athassa kaṅkhā vapayanti sabbā,
その時疑いは、すべて消え去る(3)



解 説


Ātāpino jhāyato brāhmaṇassa.
精進して修行(観察)するバラモン(聖者)に
 *brāhmaṇassa この時代は、カースト制度によるバラモンではなく、聖者という意味
Ātāpino jhāyato brāhmaṇassa.
確かに、(理法)現象が現れて来る
Yato khayaṃ paccayānaṃ avedi”ti
そこで彼は因縁によって、現象が消滅すると知って
 *現象は原因によって消滅するのだという過程を発見することで
 *有も無も成り立たないと知って
Athassa kaṅkhā vapayanti sabbā,
その時、知っているので、一切の疑が消える
 *未来に対する有・無の「疑」が消滅します。



第二の詩は縁起の逆観を語っています
Iti imasmiṃ asati idaṃ na hoti,  imassa nirodhā idaṃ nirujjhati,
③これがないからあれがない ④これが滅するからあれが滅する。

×

非ログインユーザーとして返信する