ウダーナ ~ ベスト・オブ・仏教

仏教ベスト盤 ~ ウダーナ ~ を翻訳・解説

ウダーナ ~ ベスト・オブ・仏教 ウダーナについて

       ウダーナ聖典(自説経)
       ブッダのつぶやき
      ~ベスト・オブ・仏教~


 ウダーナ(自説経)はパーリ経典、クッダカ・ニカーヤ(小部)に収録されている経典で詩文と散文で構成されている、一つの経典としてどのように、まとめられたかなどは明らかではありませんが、近年の研究では詩文については、スッタニパータ(ブッダのことば)、ダンマパダ(真理のことば)などと並び最も古い経典でお釈迦様のことばのままを、もっとも伝えている経典と言われています


ウダーナの意義
 一般的にウダーナ は、喜びの言葉、歓喜、感興 というふうに訳されていますが、実は「息を吐く」という意味の動詞から作った名詞です。
何かをやり遂げた時、息を吐いて達成感を感じる。その時、発する言葉です。これは六年間の修行が成功して解脱に達したので、お釈迦様がその達成感を発表している言葉です。
 ウダーナとは
 ・解脱・涅槃はどのような境地か
 ・こころにどのような変化が起きたか
 ・仏道を実践する人は何を参考にすればよいか
 ・他宗教との違いは何か
 ・仏教が語る真理とは、
 等々のポイントが記載されています


ウダーナの具体例を紹介します。
 お釈迦様の最初の説法とされている、転法輪転教という経典があります。ある日、お釈迦様がかつての修行仲間である五比丘に、ご自分の悟った内容である、中道とその実践法である八正道、苦集滅道の四諦、四諦の完成にいたる三転十二行相、を説いた。その時、五人のうちコンダンニャが悟りをひらき、「生じる性質をもつものはいずれも皆、滅する性質をもつのだ」という言を口にした、その姿を見て、お釈迦様は「コンダンニャは理解したのだ。コンダンニャは理解したのだ」と。唱えたと伝わっています。
 お釈迦様が口から発した「コンダンニャは理解したのだ。コンダンニャは理解したのだ」という言がウダーナです。


ウダーナの構成
 第一章はバラモン、 第二章は苦と楽、 第三章は真のビク、 第四章は心 
第五章~第七章は教説の内容などビクが理解すべきこと 第八章は苦の終わり・涅槃


 上記の様に章ごとに主題があり、詩文の説明が散文でされています


 全体の構成は四聖諦に分けて編集されています、四聖諦は互いに関連しているので、明確に分類はできませんが、集聖諦で苦聖集をみて、道聖諦で滅聖諦をみる、という順番で重層的に構成されています。下記の表を見て頂ければ四聖諦つまりお釈迦様の教えのエッセンスが縦糸と横糸を織り込んで布になるような形で、理解できるように一つの経典としてまとめられているのがお分かりとおもいます

第一章の1・2・3、第二章の1、第三章の10が悟りを得た直後の教えとして、縁起と慈悲と四聖諦が凝縮して説かれ、第一章10では無我、第八章1・2・3・4では涅槃が直接的に説かれ、仏教の重要な教えが凝縮されています。第六章4・5・6では論争するなという理由が説かれています。
「群盲象を撫ぜる」「仏道の八不思議」「自己より愛しいものはない」など数々の有名なエピソードが説かれている経典です。

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