ウダーナ ~ ブッダのつぶやき 第4章9ウパセーナの経(普及版)
4.9 ウパセーナの経(39)
このように、わたしは聞きました。
あるとき、お釈迦様は、ラージャガハに住んでおられます。
ヴェール林のカランダカ・ニヴァーパで、離れて独り静かに座っているヴァンガンタの子のウパセーナの心にこのような考えが浮かびました。
「わたしには幸いだ。わたしの師はアラカンにして正しく自覚めた世尊である。わたしは
正しく説かれた教えと律により出家した。わたしと修行を共にし、戒をたもち、善なる
教えを守る者たちである。さてわたしは戒をまっとうできた。わたしは心が落ち着いて
いる。わたしはアラカンとなり煩悩を滅した。わたしは大いなる神通・強い力をもて
た。わたしにとって人生は幸いなるものであり、死は幸いなるものである」と。
お釈迦様は、心をとおして、ヴァンガンタの子のウパセーナの心の考えを知って、そ
の時にウダーナを唱えました。
生きている間には悩みがない
死ぬ間際になっても悲しくない
その人こそ本当のことを知った智慧のある人
一般人は悲しんでいるが、その人は悲しんでいない
生きる欲望をなくした
心の静まったビクにとっては
生きる輪廻はなくなり
再び生まれることはない